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店舗経営をする企業が従業員エンゲージメントを高めるのが難しい理由

労働生産性の向上は、企業の成長と持続的な競争力を確保するために不可欠です。特に店舗経営を行う企業にとって、従業員のエンゲージメントを高めることは重要な課題です。しかし、多店舗展開をしている企業では、従業員エンゲージメントを高めるのが難しいという現実があります。この記事では、その理由について詳しく探っていきたいと思います。


目次[非表示]

  1. 1.多店舗展開の複雑性
    1. 1.1.物理的な距離
    2. 1.2.異なる店舗文化
  2. 2.コミュニケーションの難しさ
    1. 2.1.一斉コミュニケーションの不足
    2. 2.2.パーソナライズされたコミュニケーション
  3. 3.経営陣と現場のギャップ
    1. 3.1.経営方針の浸透
    2. 3.2.一貫性の欠如
  4. 4.これらの課題に対する実際に行った!解決策
    1. 4.1.スタッフと管理職の間に入る
    2. 4.2.オンラインプラットフォーム活用の工夫
    3. 4.3.共通の目標設定に関する具体例
    4. 4.4.研修プログラムの内容と効果
    5. 4.5.エンゲージメント向上の成果
  5. 5.エンゲージメント向上なら人材のミカタに相談を!


多店舗展開の複雑性



物理的な距離

多店舗展開企業では、各店舗が異なる地域に存在するため、物理的な距離がエンゲージメント向上の大きな障壁となります。従業員が一堂に会する機会が少ないため、コミュニケーションの頻度が減り、情報共有や一体感の醸成が難しくなります。

私がエリアマネージャーをしていた時も、遠く離れた店舗のスタッフと直接コミュニケーションを取る機会が限られていました。その結果、スタッフのモチベーションが低下し、全体の生産性にも悪影響を及ぼすことがありました。


異なる店舗文化

各店舗が独自の運営方法や文化を持っていることも、エンゲージメントを高める上での課題です。店舗ごとの文化や風土が異なると、統一感を持ったエンゲージメント向上施策を展開するのが難しくなります。共通の目標や価値観を共有することが難しく、従業員同士の一体感が薄れる可能性があります。とくに課題を感じる瞬間は「店舗異動」があった時です。ストレスに感じて離職につながることも。


コミュニケーションの難しさ



一斉コミュニケーションの不足

多店舗展開企業では、一斉に情報を伝える手段が限られており、全従業員に対して均等に情報を届けるのが難しいです。定期的なオンラインミーティングや社内チャットツールを活用しても、各店舗の業務スケジュールやタイムゾーンの違いなどが障害となります。


パーソナライズされたコミュニケーション

各店舗の従業員に対して、個別にフィードバックやサポートを行うことも困難です。エンゲージメントを高めるためには、従業員一人ひとりのニーズや悩みに対して細やかな対応が必要ですが、多店舗展開の中ではそれが難しい場合が多いです。店長職が行ったとしても各店舗でバラつきが起こっていました。


経営陣と現場のギャップ



経営方針の浸透

経営陣が掲げる方針やビジョンが現場の従業員に十分に浸透しないことも、エンゲージメントを低下させる要因です。経営陣と現場の間に存在するギャップは、情報の伝達がスムーズに行われない原因となり、従業員のモチベーションやエンゲージメントに悪影響を及ぼします。「なんとなく働く」が蔓延していきます。


一貫性の欠如

多店舗展開企業では、各店舗の運営方法やサービスの提供方法が異なるため、一貫したエンゲージメント向上施策を展開するのが難しいです。経営陣の意図が各店舗に正しく伝わらず、現場での実践が不徹底になることがあります。


これらの課題に対する実際に行った!解決策



スタッフと管理職の間に入る

店舗を訪問した際、スタッフから「店長が何もしてくれない」「お客さんが来ないからやることがない」といった不満を聞くことがありました。待ちの姿勢が顧客にも伝わっていると感じたため、スタッフに「店長にはどのように動いてくれたら嬉しいのか?」「お店がどうなれば楽しく働けますか?」と問いかけました。これにより、一人ひとりのモチベーションが向上し、店舗全体の雰囲気が改善されました。


オンラインプラットフォーム活用の工夫

オンラインミーティングは営業メンバーに限定して行い、店長会議は可能な限り対面で実施しました。日々の業務では日報やチャットツールを活用し、困ったことや集客アイディアを共有することで、情報の透明性を高めました。


共通の目標設定に関する具体例

「販促を営業だけでなく他のメンバーも一緒に行いましょう!」という目標を設定しました。お会計時にお客様へ広告付きのティッシュを配布することで、コロナ禍でも販促活動を継続し、目標を達成しました。この経験を通じて、スタッフは毎日コツコツと取り組むことの重要性を理解し、業務を溜め込まずに実施する習慣が身につきました。


研修プログラムの内容と効果

研修というよりは、先輩スタッフが新人メンバーに積極的に教えるスタイルを採用しました。教えることで自身も学び、次の責任者の育成にもつながりました。このアプローチにより、スタッフ間の協力体制が強化されました。


エンゲージメント向上の成果


毎日の小さな課題やスタッフの想いを掬い上げることで、店舗全体のモチベーションが向上しました。お互いの目的を理解し合うことで、管理職が不在でも積極的な声掛けが行われ、離職率が低下しました。また、売上向上にも寄与し、次のステップに向けた採用が可能となり、働きやすい職場環境を実現しました。

これらの取り組みを通じて、多店舗展開の企業においてもエンゲージメントを高めることが可能であることを実感しました。エンゲージメントの向上が労働生産性の向上につながることを、実体験を通じて感じています。


エンゲージメント向上なら人材のミカタに相談を!



多店舗展開企業において従業員エンゲージメントを高めることは簡単ではありませんが、物理的な距離、異なる店舗文化、コミュニケーションの難しさ、経営陣と現場のギャップといった課題を克服するための具体的な施策を実行することで、労働生産性を向上させることが可能です。

私自身の経験からも、これらの施策が効果的であることを実感しています。エンゲージメントを高めるための取り組みを継続し、全ての店舗が一体となって高い生産性を実現できるよう努めていきましょう。

  人材のミカタお問い合わせ 株式会社CREVAS GROUP




編集長 江藤
編集長 江藤