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「マンガ」による効果的なインバウンド対策

コロナが5類感染症に移行されて外国人観光客が来日する機会が増え、インバウンド対策をどのようにしていくかが売上に直結する時代となりました。
ネットやSNSで様々なインバウンド対策について情報が溢れており、多くの宿泊業界や飲食業界で実際に施策が打たれていますが「本当の意味でのおもてなし」をしていますか?という質問に対し、堂々と「はい!」と答えられる人はどれくらいいるのでしょうか。
今回は、株式会社CREVAS GROUPの澤田さんにインタビューし、外国人観光客の方々の目線に立ったときに効果的だと考えられる「マンガ」によるインバウンド対策についてお話しいただきました。


目次[非表示]

  1. 1.現在の外国人旅行消費額と日本の現状
    1. 1.1.外国人旅行消費額
    2. 1.2.費目別旅行消費額
    3. 1.3.日本のインバウンド対策実施状況
    4. 1.4.日本の店舗がインバウンド対策をしない理由
  2. 2.段階で対策する「旅マエ・旅ナカ・旅アト」
    1. 2.1.旅マエ
    2. 2.2.旅ナカ
    3. 2.3.旅アト
  3. 3.「マンガ」を活用した新しいインバウンド対策の形
    1. 3.1.「マンガ」の使い道
    2. 3.2.マンガを制作するメリット
  4. 4.CREVAS GROUPがマンガを制作します!


現在の外国人旅行消費額と日本の現状


-コロナが5類感染症に移行されて外国人観光客の数がかなり増えてきて、今では東京を中心に目立つようになりましたよね。


そうですね。コロナ禍では店舗ビジネスを展開している企業を中心に大ダメージがありましたが、現在は外国人観光客の増加により、多くの飲食店やホテルなどで業績が回復してコロナ前より業績がアップしてる企業もあるのではないでしょうか。
2023年から国内で消費される外貨が急激に増えてきており、日本の経済に大きな影響を与えています。観光庁が出しているデータを元に、傾向を見ていきましょう。


外国人旅行消費額


外国人による日本旅行での消費額は2024年4~6月期では2兆1370億円となっており、3ヶ月間で2兆円を超える外貨が日本で使われたことになります。2023年から消費額は一気に伸びてきており、現在も増加傾向にあります。


費目別旅行消費額


国内で消費された2兆1370億円の費目別振り分けは画像の通りとなっています。
消費されたお金のうちほとんどがホテルなどの宿泊業界や飲食業界などの、店舗による消費となっています。つまり、店舗ビジネスではインバウンド対策をすることが集客や売上に大きくつながってくるものだということがわかります。


-最近よく聞く「インバウンド対策」の重要性がわかりますね。しかし、東京の繁華街などで食事をしたり買い物をしていても「外国人に親切だな」と感じる場面が少ないような...。


実はその通りで、意外とインバウンド対策をしている店舗は少ないです。メニューや注文方法、会計方法など全てにおいて外国人向けの表記はまだまだ浸透しておらず、不便さを感じている人は多いです。
インバウンド対策をしている店舗は全体の何%ほどだと思いますか?


-売上に直結してくる部分なので、さすがに半分の50%ほどはしているのではないでしょうか?


そう感じますよね。売上を上げるためには対策をすることが当たり前だと思いがちですが、残念ながらハズレです。それでは、実際のデータを見ていきましょう。


日本のインバウンド対策実施状況


日本国内におけるインバウンド対策が大事だということがわかりましたが、実際に国内でインバウンド対策を実施している飲食店は画像の通り約20%となり、いまだに実施できていない店舗が約80%というデータが出ています。
多くの外国人観光客が何らかの対策が取られている店舗に訪れると考えると、インバウンドによる売上に大きな偏りが出ていることがわかりますし、不便な思いをしている外国人観光客が多いこともわかります。


-約20%とは驚きです。確かに先日繁華街に行った際も、外国語メニューを見たい場合はわざわざQRコードを読み込まないといけない仕組みになっていましたし、その仕組みの説明も外国人にとってはわかりにくいものになっていました。


大手企業だろうがそうでなかろうが、外国語メニューを用意できていない店舗は非常に多いですし、だからと言って外国語を話せる店員さんが多いわけでもありません。
日本人の私たちですら「ここの注文はどうするんだろう?会計はどこでするのかな?」と迷う場面があると思います。ということは、外国人からするとわからないことだらけなので、おもてなしの国である日本としては不完全な部分が多いと感じます。


-特に居酒屋などではまだ対策が進んでいないイメージがありますね。


先日、居酒屋に行った際にインバウンド対策の重要性を感じる場面を目にしました。
「THE日本の居酒屋」のような店構えをした店舗にニコニコして楽しそうな外国人夫婦が訪れましたが、そこの店員さんが日本人のお客さんに対する接客と同じような接客を外国人夫婦にしていました。QRコードを読み取ってスマホで注文をするタイプの店舗でしたが、日本語が読めない外国人の方は眉を顰めてどうすればいいのか困っている様子でした。その様子に気づいた店員さんがQRコードの説明をしましたが、外国人夫婦はスマホを所持しておらずスマホによる注文ができなかったため、席に用意されていたメニューを見て注文をしていました。
しかし、日本語が読めない上にメニュー1つ1つに写真がついていないため、何が何だかわからない状態でした。結果的にその外国人夫婦は周辺の席を見て周り、食べたいものを指差して注文することしかできず、居心地の悪さを理由に軽く食事をとって早々に退店されていました。


-日本人としてとても考えさせられますね。自分が逆の立場だったらと思うと心から楽しめないです。


外国語メニューを用意していれば、メニューに写真をつけていれば、外国語の簡単な説明書があれば、その外国人夫婦は楽しく食事ができたでしょうし、その結果SNSなどで宣伝してくれてそれを見た別の外国人が来店するという売上アップのループができていたかもしれません。そう考えると非常にもったいないことだと感じますし、何よりも「おもてなしの国」だと高く評価されている日本へのイメージを下げるきっかけになっているかもしれないということが悔しいですよね。


日本の店舗がインバウンド対策をしない理由

国内の店舗ビジネスを展開する企業がインバウンド対策をしない理由として、以下が挙げられます。お店のブランディングやスタンスによって左右されるとは思いますが、コストと労力が1番の理由として挙げられています。

  • コストと労力

インバウンド対策には、多言語メニューの作成・Wi-Fi導入・キャッシュレス決済対応など、一定のコストと労力がかかります。特に小規模な事業者にとっては、これらの投資が負担となる可能性があります。

  • 既存顧客への影響懸念

外国人観光客向けのサービスを導入することで、既存の日本人顧客に不便や違和感を与える可能性を懸念する事業者もいます。

  • 準備不足や知識不足

インバウンド対策の必要性は認識していても、具体的にどのような対策を取ればよいか分からない事業者も多いです。


-もちろんコストがかかるのはわかりますが、結果として売上が伸びるのであれば対策をする価値は十分にあると思いますが...。


店舗ビジネスはサービス業が故に「時間がない」ことが大きな障壁なのかもしれません。店員さんの中には普段から終電ギリギリで帰る方も多いでしょうし、その日その日の営業で精一杯であることが現状なのだと思います。私も飲食店でのアルバイト経験がありますが、よほど人が足りている店舗でない限りリソースを捻出することは難しいですね。
しかし、それでは現状が変わらないことも事実ですし、先ほどお見せした外国人が日本で消費している金額を見るとインバウンド対策の重要性がわかったと思いますので、コストや労力をかけてでもすぐに行動を起こす必要があると思います。


段階で対策する「旅マエ・旅ナカ・旅アト」


-インバウンド対策と言っても抽象的な言葉で具体的なイメージが沸かないのですが、何から取り組むことが大切なのでしょうか?


インバウンド対策を考える際に重要なキーワードとなる「旅マエ・旅ナカ・旅アト」という3つの段階があり、それぞれの段階に合わせて1つ1つ施策を打っていくことで効果的かつ効率的に対策に取り組むことができます。
旅マエの前に「プレ旅マエ」と呼ばれる、どの国に遊びにいくかと考えている層を取り込む段階もありますが、日本に行くことを決めた層を取り込む「旅マエ」からご紹介します。


旅マエ

旅マエとは「日本に行ったら何しようと考えている段階」です。
みなさんも旅行をする際にサイトやSNSを見て「その地ならではの食べ物は何か」「評価の高い店はどこか」などを検索し、お店やホテルなどを選んで予約をしたりリストに入れておくと思います。それと同じように、外国人も日本に来る前に事前に下調べをしますので、その際に選ばれる店舗になるために対策を打っておくべきです。


-言語も何があるかもわからないからこそ、事前に調べた情報以外の場所にはあまり行くことがないと考えると、ネット上で目に触れる機会を作っておくことがとても重要ですね!


日本に行き慣れていない限り行き当たりばったりで行動する人は少ないと思うので、事前に店舗について認知をしてもらう機会を作っておかないと、インバウンドの恩恵を受けることは難しくなりますね。

  • 多言語対応メディア

ブログや記事などのメディアを制作し、多言語対応しておくことで興味を持ってもらうことができます。また、サイト制作も非常に効果的でお店やメニューについて事前にインプットさせることができ、さらには入店時や注文時のルールを記載しておくことで訪れる際の安心感を与えることができます。

  • SNS運用

店舗の写真やメニューの写真、お土産の写真などを使ってSNS運用をしておくことで、SNSを中心に情報収集をしている外国人にアプローチをすることができます。より細かな情報を記載することで他店との差別化が可能です。

  • 口コミ

口コミが評価の軸となっている時代ですので、Googleやまとめサイトなどに投稿されている口コミの評価をまとめて可視化することで、安心感を与えることができます。



旅ナカ

旅ナカとは「旅行を満喫している段階」です。
事前に行く場所ややりたいことを決めていたとしても、決めていたことが思ったより早く終わったり、様々な理由で予定が変更になったりしてその場で検索して行く場所や食べるものを決めることがあると思います。その際に外国人の目に触れる機会を増やす施策を打っておくことで、売上に大きな影響を与えることが可能です。
また、店舗内の「おもてなし」を最大化しておくことで店舗の評価を上げることができ、リピートはもちろんのこと、新規獲得にも効果があります。


-事前に調べていたとしても必ずと言って良いほど現地で検索をすると思いますし、実際に訪れた際のおもてなし感がさらなる外国人観光客の来客につながりますね!


インバウンド対策ができている店舗が少ないため、早めに取り組むことで差別化になりますし、競争が激しい店舗ビジネスにおいて優位性を高めることへとつながります。

  • MEO対策

MEO対策を行い、検索エンジン上で上位表示させておくことで現地で外国人が検索をしたときに目に触れる機会が増え、来客へのきっかけになります。
MEO対策は現在WEB上で最も有効な施策の1つであり、店舗ビジネスを展開している企業が次々にMEO対策を行っているため、早めに取り組むことが売上アップへの近道です。


  • 店舗内の多言語対応

店舗内のメニューやWi-Fi、会計方法などの情報を多言語対応することで外国人に安心感と快適さを与えることができ、口コミやSNSで「良いお店」という発信をしてくれる可能性が高まります。多言語対応している店舗が圧倒的に少ないからこそ、安心できる店舗の需要は高いですし、差別化を図る良い機会となります。
メニューだけでなく、注文方法を含めた店内ルールも多言語対応しておくことで、外国語を話せる店員が不在の場合も滞りなくお店を回すことができます。

  • SNS運用

旅マエと同様、SNS運用をしておくことで目を惹くことができ、選ばれる店舗へと一歩近づくことができます。



旅アト

旅アトとは「旅行の余韻に浸る段階」です。
帰国後に思い出の地をSNSなどで検索し、世界中の人が投稿している写真や動画を見ながら余韻に浸ることもありますし、行きたいと思っていたけど行けなかった場所について調べ、次回訪れる場所を決めることもあります。ですので、旅アトの施策を打っておくこともインバウンド対策において非常に重要です。

  • SNS運用

SNSは常に見られる媒体であるため、全ての段階において非常に有効な手段です。

  • 口コミ

口コミマーケティングに力を入れることで新規獲得やリピーター化につながります。口コミも旅マエや旅ナカでも大きな効果を発揮しますので、必須の施策となります。

  • 越境EC

旅行中に購入できなかったものや余韻で検索している際に発見したものを海外にいながら購入できるため、売上をアップさせるための施策として有効です。



「マンガ」を活用した新しいインバウンド対策の形


-ここまでお話を聞いて、やはり「おもてなし」によって満足してもらって「日本はいい国だ」と感じてもらうためには旅ナカが大事だと感じましたが、具体的な施策はありますか?


本当にその通りだと思います。売上を上げることも大切ですし、認知度拡大も大切ですが、私個人の考えとしては「おもてなしの国である日本」を徹底して外国人観光客に楽しんでもらうこと、満足してもらうことが大事だと思います。その結果、お金を消費してもらうことができて売上アップにつながると思いますので、まずは純粋に楽しんでもらうことに重点をおくべきです。そのような理由で私も旅ナカが大事だと思いますし、もっと言うと店舗内での満足度や安心感が1番大事だと思っています。


「マンガ」の使い道


先ほどメニューの多言語化や店内ルールの多言語化などの施策を挙げましたが、今私が注目している施策は「マンガ」による満足度向上です。


-マンガですか...?いまいちイメージが沸かないのですがどのような用途になるのでしょうか?


さすがにメニューはこれまでのものを多言語化したり写真を添付するという方法で改善すべきだと思いますが、「注文方法」や「店内ルール」、「会計方法」などをマンガ化して来店時にお渡ししたり、テーブルに置いておくことで非常にわかりやすく伝えることができ、安心感を持ってもらうことができます。
1組1組にお渡しするより、テーブルに置いておくほうがコストはかかりませんが、日本を象徴するコンテンツの1つである「マンガ」を1組1組にお渡しすることでお土産や思い出の1つとして喜んでもらえると思いますし、日本らしいおもてなしとして口コミやSNSで拡散され、認知度も大幅に向上させることができると思います。


-なるほど!マンガは海外でも非常に人気ですし、そのような用途であれば楽しさと安心感を同時に与えることができて人気が出そうですね!


インバウンド対策というと呼び込むことに目が行きがちですが、呼び込んだ先の満足感が1番大事だと思いますし、「日本に来てよかった」と思ってもらうことが今の日本の企業命題だと感じています。
もちろん多言語化を進めて行くだけでも差別化になりますし、満足度も高まると思いますが、そこにマンガ化というアクセントを加えることで「外国人の期待値を超える体験」を提供することができ、本当の意味での満足につながるのではないかと思います。


-日本人ですら店内の過ごし方に戸惑うこともあるくらいですので、マンガというコンテンツと合わせて多言語化しておくことはとても効果的ですね!


最近株式会社CREVAS GROUPで岩手県盛岡市に支店を作ったので盛岡の話をしますが、盛岡で有名な「わんこそば」は国内でも独特なお店ですよね。
日本人ですらしっかり説明を聞かないとどうすればいいのかがわかりません。しかし、マンガを用意しておくことで外国語を話せる人材が不要ですし、見せるだけでルールを理解してもらえるため、戸惑うことなく入店から退店までスムーズに流れることができます。
また、ホテルでもお部屋の使い方からチェックアウトの方法など、マンガとしてお渡しすることで文章として伝えるよりも「楽しさ」や「わかりやすさ」が高まります。それこそが「日本ならでは」のインバウンド対策なのではないでしょうか。


マンガを制作するメリット

マンガを制作することで得られるメリットについてご紹介します。
全てに当てはまらなくても、1つでも「良いな」と感じていただいた場合はマンガを制作することをおすすめします。

  • 最高の顧客体験を生む

マンガは世界中で愛されている、日本が生んだ最高のコンテンツです。日本=マンガというイメージは強いと思いますし、身近なものでもあるためマンガをお渡しすることで「日本らしさ」を演出することができ、顧客体験の質を向上させることができます。

  • 人材確保が不要

外国人観光客と日本の店舗にとって1番大きな障壁となる「言語の違い」を解決するため外国語を話せる人材が必要だと思われがちですが、外国語を話せる人材の確保は非常に困難ですし、そもそもの人材不足が深刻化しています。しかし、マンガを使用することで言葉を話すことなくルールなどを伝えることができますし、人が足りていない場合も問題なくお店を回すことができます。

  • 制作に対しリソースが不要

マンガを自分たちで制作しようとすると非常に難しいですが、株式会社CREVAS GROUPでマンガ制作を行っているため、リソースを割くことなく制作が可能です。
ノンコア業務にリソースを割くことなく、店舗運営というコア業務に専念できるため無理なく実装が可能です。


CREVAS GROUPがマンガを制作します!


ここまでインバウンドについて、インバウンド対策に効果的なマンガについてお話しましたが、何を伝えたいかというと「外国人観光客を呼び込んだ後の店舗内で満足してもらうことが大事」ということです。ビジネスなので売上はもちろん大事ですが、楽しみに来てくれた人の期待を超えるおもてなしをすることが日本人としてあるべき姿だと思いますので、その施策の1つとしてマンガを使ってみて欲しいと思います。
もし社内にマンガを描ける人材がいないのであれば、当社が取材にてヒアリングを行い、マンガ制作を行います。人に左右されないマンガというコンテンツを用いて最高品質の顧客体験を生むお手伝いができたら嬉しいです。

  仕事のミカタお問い合わせ 株式会社CREVAS GROUP


編集長 江藤
編集長 江藤