間接費と直接費の違いとは?コスト削減の4ステップを紹介
利益率向上と経営の安定化を目指すためには、コスト削減が欠かせません。特に、直接費と間接費について明確に理解することは非常に重要です。
直接費は「本当に必要なコストか」を判断しやすい費用である一方、間接費は利益に直接影響していないように見えるため、削減可能かの判断が難しいといった特徴があります。
本記事では、間接費と直接費の違いを解説し、効果的なコスト削減のための4つのステップを紹介します。
目次[非表示]
- 1.間接費(間接コスト)とは?
- 2.直接費(直接コスト)とは?
- 3.間接費と直接費の違い
- 3.1.分類する目的は?
- 3.2.コスト削減の効果が高いのは「間接費」
- 4.間接費を削減するための4ステップ
- 4.1.1.間接費を可視化
- 4.2.2.削減目標の設定
- 4.3.3.施策の実行
- 4.4.4.定期的なモニタリング
- 5.間接費削減の際のポイント
- 5.1.製品の品質を維持する
- 5.2.職場環境を維持する
- 5.3.従業員にも協力してもらう
- 6.本当に必要な間接費を可視化するなら「コストのミカタ」へ相談を!
- 7.まとめ
間接費(間接コスト)とは?
間接費(間接コスト)は、製品やサービスに直接関わるものではありませんが、企業経営には欠かせない費用です。しかし、間接費の特定と管理は難しい傾向にあります。
広い範囲に関わる費用のため、どの製品やサービスにかかったのかを特定するのが困難です。
間接費に計上する費用はたくさんありますが、大きく3つに分けられます。
以下、具体例をチェックし、どの費用が間接費に当てはまるのかを把握しましょう。
間接費の種類
間接費は3つに分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
間接費の種類 |
特徴 |
間接材料費 |
間接的に製品やサービスの製造・提供に関わる材料費 |
間接労務費 |
製品やサービスの製造・提供に直接関わらない労働への対価 |
間接経費 |
製品やサービスの製造・提供のため、トータルで見たときに必要な費用 |
どの費用も、製品やサービスの製造・提供に直結はしていません。
間接費の具体例
間接費の具体例は、以下の通りです。
間接費の種類 |
具体例 |
間接材料費 |
補助材料費、工場消耗品費、消耗工具器具備品費 |
間接労務費 |
間接作業賃金、間接工賃金、従業員賞与手当、福利費など |
間接経費 |
減価償却費、賃借費、修繕費、電力料、ガス代、水道料、通信費、旅行交通費など |
間接材料費には材料費のうち、「製品1つにいくらかかったのかが明確には分からないもの」や「金額的に少額のもの」が当てはまります。
間接労務費は、以下の賃金などが対象です。
- 製品やサービスの製造や提供に直接関わらない作業の賃金
- 製品やサービスの製造や提供に直接関わらない従業員の賃金
間接経費の項目は非常に多岐にわたり、表で挙げたもの以外にもまだまだ多数あります。
直接費(直接コスト)とは?
製品・サービスの価格決定や売上に直結するのが直接費(直接コスト)です。製品・サービスを作ったり提供したりするたびに直接費が発生します。
直接費は、正確な算出で製品やサービスに関わるコストの把握が可能な項目です。
直接費の種類や具体例から、価格の決定や収益の分析などに役立てましょう。
直接費の種類
直接費も間接費と同様に3つに分けられます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
直接費の種類 |
特徴 |
直接材料費 |
製品やサービスの製造・提供に直接関わる材料費 |
直接労務費 |
製品やサービスの製造・提供に直接関わる労働への対価 |
直接経費 |
製品やサービスの製造・提供のために必要な費用 |
どの費用も製品やサービスの製造・提供に直結しています。
直接費の具体例
直接費に含まれる費用の具体例を紹介します。
直接費の種類 |
具体例 |
直接材料費 |
主要材料費原料費、買入部品費 |
直接労務費 |
直接賃金 |
接経費 |
外注加工費、特許権使用料 |
材料費のうち、製品1つの製造にいくらかかったのかが明確なものが直接材料費です。
直接労務費とは、製品やサービスの製造・提供に直接関わる作業をする従業員に支払う賃金のことです。
ただし、製品やサービスの製造・提供に直接関わる作業をする従業員が修繕や清掃など、製品やサービスに直接関係のない作業をしている時間に発生する賃金は、直接労務費に含まれません。
経費として発生するもののほとんどは間接経費です。
主に「外注加工費」と「特許権使用料」の2つが直接経費にあたります。
間接費と直接費の違い
間接費は、製品・サービスの製造・提供とは直接関連していないため、どの製品やサービスにどれだけの費用が発生したのかわかりにくいものです。費用が発生するタイミングに規則性はありません。間接費は、製品・サービスを製造・提供していないときにも発生するケースがあるのが特徴です。
一方、製品やサービスごとに発生する直接費は、コストを把握しやすいという特徴があります。直接費は、製品の製造やサービス提供と同時に発生し、企業の利益に直接影響します。
コスト削減を目指すなら、間接費と直接費を分類し、それぞれの費用を把握することが重要です。
分類する目的は?
間接費と直接費に分ける目的は主に2つあります。
- コスト内訳の把握
- 予算や価格設定、コスト削減の適切な遂行
間接費を細かく計上することで、正確な原価計算ができます。
製造やサービスに関連するコストをすべて考慮した原価計算は、赤字を防ぐためには不可欠です。費用を分類すると無駄な部分が明確になり、コスト削減につなげやすくなります。
コスト削減の効果が高いのは「間接費」
コスト削減において、長期的な効果が高いのは間接費です。
直接費は、製品やサービスの種類や仕様によって決まるため、削減できる余地は限られています。対して間接費は、企業経営の全体に関わる費用のため、削減の余地が大きい費用です。
例えば、光熱費の節約や通信費の見直し、事務用品の無駄削減などによって、間接費の削減ができます。
間接費を削減するための4ステップ
ここで紹介する4つのステップを実施し、間接費を削減してコストを抑えましょう。
1.間接費を可視化
どのような間接費が発生しているのかを把握するために、まずは間接費の可視化を行います。請求書や領収書を整理すると、どのような間接費が発生しているのかを把握しやすいでしょう。
2.削減目標の設定
削減したい項目や削減方法の決定後は、以下の2つの目標を設定します。
- 削減額
- 削減期限
長期的な実現が難しくなったり、従業員のモチベーション低下につながったりする可能性が生じるため、いきなり高い目標を設定するのはおすすめできません。企業全体で無理なく取り組める現実的な削減額にしましょう。また、期限が決まっていると、進捗の把握や改善点の発見がしやすくなります
3.施策の実行
決めた目標に向けて、施策を実行します。1人だけで取り組むと考えが偏りがちになるリスクがあるため、個人よりもチームで取り組むと良いでしょう。チームを構成することで、さまざまな視点を生かせるようになります。
コピー機や携帯電話など社内で実際に利用している従業員の声を聞き、コスト削減のヒントにしましょう。
4.定期的なモニタリング
コスト削減への取り組みは、1回の施策で解決するものではありません。定期的にモニタリングをして、新しい課題がないかを確認しましょう。
新たな課題が見つかった場合は、必要に応じて施策を修正します。
施策が成功しコスト削減できた項目についても、可視化が漏れていないかをぜひチェックしてみてください。もし可視化できていない点が見つかった場合、さらにコスト削減できる道が開ける可能性があります。
間接費削減の際のポイント
ただやみくもに節約をすれば良いものではありません。
ここで紹介する3つのポイントを押さえ、間接費削減に取り組みましょう。
製品の品質を維持する
間接費の削減を理由に製品の品質を犠牲にしては本末転倒です。
削減対象の項目を慎重に検討し、品質に影響する部分は削減しないようにしましょう。
例えばインターネットに関連する費用を削減するために、安いプランを選択するケースもあるでしょう。しかし安いプランは、Webサイトの機能性低下のリスクがあります。
コスト削減をした結果、顧客満足度の低下を引き起こす恐れがあるため注意しましょう。
職場環境を維持する
コスト削減しつつも職場環境は維持できるように努めましょう。
必要な経費や減らす必要のない費用まで削減しては、従業員のモチベーション低下を引き起こすリスクが高まります。働きやすい職場環境は変えないようにしてください。
例えば、電気代の節約のために冷暖房費の設定温度のルールを決めることもあるでしょう。目標にした設定温度次第では、従業員のやる気を削ぐ可能性も考えられます。
従業員にも協力してもらう
間接費の削減は、従業員にも協力してもらい社内全体で取り組みましょう。
コスト削減のために実施する施策や目標、期限を従業員と共有します。
社内全体でコスト削減への意欲を高めることが大切です。
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間接費は部署が多岐にわたるケースもあり、可視化がスムーズに進まないことも珍しくありません。
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まとめ
利益率向上と経営の安定化を目指すためには、コスト削減が必要です。
製品やサービスに直結する直接費は、コスト削減には制限が多くあります。
間接費は企業経営の全体に関わるため、項目を見直すことで削減できる可能性が高い点が特徴です。
コスト削減は、大きく4つのステップで取り組むことができます。しかし製品の品質や職場環境の維持が求められるため、コスト削減とのバランスが難しく悩む担当者もいることでしょう。
コストのミカタでは、IT関連や営業関連などの必要に応じたサポートでコスト削減を提案します。
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